ベトナム駐在の準備として、証券口座やNISA口座をそのまま持っていられるのか気になりませんか?
基本的に、海外在住者は証券口座での取引ができませんが、証券会社によっては口座自体を維持することは可能です。NISA口座については、海外赴任中は利用や維持が難しい場合が多いです。
税務上の問題や法的なトラブルは避けるためにも、ベトナム駐在の前に必ず証券会社に具体的な手続きや解約が必要かどうかを確認するようにしましょう!
この記事では、ベトナム駐在中に証券口座をそのまま持っていられるのか、NISA口座がどうなるのかについてご紹介します。
証券口座を維持するのか解約するのか、どちらにするかの参考にしていただけると幸いです。
海外駐在中に証券口座はそのまま維持できる?
ベトナム駐在中でも手続きをすれば、証券口座をそのまま維持することができます。
原則的には、非居住者は証券口座を解約する必要がありますが、所定の手続きをすれば証券口座の継続保有が可能です。
ただ、証券口座の扱いは証券会社により異なるので確認が必要です。
非居住者とは?
我が国の所得税法では、「居住者」とは、国内に「住所」を有し、または、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。
国税庁
ベトナム駐在中に非居住者となった場合の証券口座の扱いについては、証券会社により扱いが違いますが、概ね以下のようになります。
- 届出を行えば条件付きで証券口座を維持できる
- 常任代理人が必要
- 特定口座ではなく一般口座となる
- 新規買付はできない
一部の証券会社では、非居住者の口座を休止または解約しなければならないので、証券口座を維持したい場合には、非居住者でも口座保有ができる証券会社を選ぶことが必要です。
海外赴任が決まったら早めに証券会社と連絡を取り、具体的な手続きや必要な措置について確認してくださいね。
海外駐在中にNISA口座は維持できる?
5年以内の海外駐在であれば、NISA口座を保有することができます。
しかし、証券会社により非居住者のNISA口座の扱いが異なりますので、
- 現在自分の持っているNISA口座が、海外駐在中にも保有が可能か確認
- 海外駐在中にNISA口座の保有が不可能な証券会社の場合、保有可能な証券会社に口座を開く
- 海外駐在中にNISA口座保有可能な証券会社に保有銘柄を移管する
が必要になります。
海外駐在中(非居住者期間)はNISA口座の継続保有はできますが、新規購入は制限されます。
海外駐在中の証券会社別の対応
ここでは、主なネット証券会社別の海外在住中の対応についてご紹介しますね。
証券会社 | 口座の維持 | 新規取引 | NISA口座 |
---|---|---|---|
SBI証券 | ◯ | ✖︎ | 要解約 |
楽天証券 | ◯ | ✖︎ | ◯ |
マネックス証券 | ◯ | ✖︎ | ✖︎ |
GMOクリック証券 | ✖︎ | ✖︎ | ✖︎ |
それぞれ個別にみていきましょう。
SBI証券
SBI証券では、事前に届出をした上で口座の維持は可能ですが、新規取引はできません。
制限の内容はこちらです
- WEBサイトの閲覧:可能
- 取引:売却のみ可能
- 入出金:可能
- NISA口座:閉鎖(一般口座へ払い出し)
- 特定口座:閉鎖(一般口座へ払い出し)
日本株式および日本国債以外の金融商品等を預かることはできません。
楽天証券
楽天証券では、出国予定期間が1年以上5年未満の場合、所定の書類の提出をすれば口座を維持することができます。
海外在住中にできること
- 維持利用できる口座:総合口座、特定口座、NISA口座
- 保有できる商品:国内株式、個人向け国債
- 利用可能な操作:ログイン、出金
- 利用可能な取引:なし
マネックス証券
マネックス証券では、長期間出国する場合口座の解約が必要です。
場合によっては、休眠口座として口座を維持することができますが、外国商品を保有したまま出国することができないので注意が必要です。
休眠口座の手続き後は、出金以外のすべての取引が制限され、出国後は保有残高の売却はできません。
GMOクリック証券
海外の滞在期間が6か月以上の場合は、口座解約が必要です。
なお、残高、保有株がある状態では口座解約ができません。
保有株の売却や、建玉の決済後に出金をして口座残高のない状態にした後に、口座解約届を請求してください。
海外駐在中に証券口座をそのまま放置するとバレる?
海外駐在時、非居住者になったにもかかわらず、所定の手続きをせずに証券口座をそのまま運用するとバレます。
海外赴任中に証券口座がバレる理由は、住民票を除票にしたことで、証券会社と税務署の情報が不一致になるからです。
証券会社は毎年、口座保有者の住所を税務署に報告するため、その際に証券会社に非居住者であることがわかってしまいます。
もしも特定口座で配当金や売却益を得ている場合には、納税義務がないのに住民税を払っていることになるので税務署にもわかってしまいます。
証券口座をそのままにした場合、証券会社の任意で解約されてしまうこともありますので、必ず所定の手続きを踏んで証券口座を維持するようにしましょう!
【体験談】ベトナム移住した私の証券口座事情
私が夫の海外駐在に帯同していたの頃は、NISA制度はなかったのでNISA口座を解約するという経験はしませんでしたが、当時から証券口座を持っていたので所定の手続きをして、口座の維持をしました。
当時、ベトナム移住の準備として私が利用している某証券会社に電話で確認したところ、日本在住でないと取引はできず、基本的には解約することになるとのことでしたが、所定の手続きで口座を維持しました。
私は当時、一般口座で運用していたので、特定口座から一般口座への払い出し作業もなく、口座維持の手続きだけだったので、そんなに手間はかかりませんでした。
ただ、書類での手続きだったのである程度(数週間)時間がかかった記憶があります。
証券口座の維持を考えている方は、なるべく早く手続きすることをおすすめします。
\銀行口座の維持についてはこちら /
海外駐在中に銀行口座はそのままで大丈夫?海外でも使える銀行や手続き方法を紹介!
まとめ
海外駐在中の証券口座の運用やNISA口座がどうなるのかについてご紹介しました。
非居住者は証券口座の維持が難しいこと、証券会社ごとに対応が異なることがわかりました。
証券口座を適切に管理するためには、海外駐在の前に必ず自身の証券会社に連絡を取り、具体的な手続きや解約すべきかどうか確認しましょう。税務上の問題や法的なトラブルは避けたいですからね。
NISA口座については楽天証券以外はNISA口座を解約しないといけません。
NISA口座が利用できなくなってしまうのは、なんだかもったいないと思ってしまいますが、証券口座を見直す良い機会にもなると思って前向きに考えましょう。
ご紹介した中では、楽天証券であればNISA口座も含め口座維持できるので、すでにお持ちの証券を楽天証券に移管するのも一つの手かもしれませんね。
くれぐれも、証券口座を放置したまま出国しないようにしてくださいね!